[堺市長選2017特集] 寄稿記事 「幼児教育の無償化」は少子化対策になるか(堺市議会議員・渕上猛志)

渕上堺市議より、前回の寄稿記事に引き続き、幼児教育無償化についての記事を寄稿いただきました。

前回記事と合わせてお読みください。

■「幼児教育の無償化」は少子化対策になるか

大阪維新の会の看板政策である「幼児教育の無償化」が、「すべての子どもに等しく教育を」という理念には、必ずしも合致しないということを述べました。

一方で、少子化対策になるかという議論になれば、それは「なる」でしょう。

しかし、「なる」とは言っても、決して効率がいいものとは言えないでしょう。

 

厚労省の出生動向基本調査に、「理想の子どもの数を諦める理由」についてのデータがあります。

「本当は〇人ほしいけど、△人で諦めた」というもので、その理由(障壁)を解消していくことが、少子化対策になるわけです。

そこで、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」と答えたのは下記の通りです。

 

1人ほしいけど、0人 …15.6%

2人ほしいけど、1人 …43.8%

3人ほしいけど、2人 …69.8%

 

これを見ても明らかなように、「経済的支援」が「少子化対策」に結びつくのは、1人目よりも2人目、2人目よりも3人目なのです。

限られた財源を有効に使う観点で、「幼児教育の無償化」を「子育て支援・少子化対策」として評価すると、圧倒的多くの財源を1人目に投入していますから、これは「効率のいい施策」とは決して言えません。

一方で、堺市が実施した「第三子以降の保育料の無償化」は、こうした統計からも非常に効率的です。

 

また、「幼児教育の無償化」は、保育料は無償になりませんから、専業主婦(夫)家庭への恩恵が大きく、共働き家庭には不公平感がある制度です。

一方で、「第三子以降の保育料無償化」は、幼稚園利用料も無償になります。

 

竹山市長は、政令市初の取り組みである、この「第三子以降の保育料の無償化」を、まずはとりわけ負担感の強い(保育料の高い)0~2歳児からスタートさせ、今年度から全年齢に拡充し、続いて「第二子にも適用」することを、この度のマニフェストに掲げました。

 

経済的負担の強い家庭(多子家庭)、強い時期(乳児期保育)から順に、経済支援していくのは、税の再配分をする上で大事な視点です。

 

一方で、中所得・高所得家庭、それも専業主婦(夫)家庭に大半の予算を投入する「幼児教育の無償化」は、少子化対策からも、税の再配分の観点からも、果たして効率的で、公平と言えるのでしょうか?

(※)低所得家庭の幼稚園代には、すでに就園奨励補助があり、満額、ないし満額に近い補助が出る。