[堺市長選2017特集] 寄稿記事「堺市の借金は急増?」(堺市議会議員・西哲史)

堺市長選2017特集 寄稿記事

「堺市の借金は急増?」

筆者:西哲史(堺市議会議員、ソレイユ堺)
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先日「維新プレス」というチラシで大阪維新の会の皆さんが「増え続ける堺の借金」という記事を書いた緑色のチラシを堺市内各地の住宅に配っていた。
このチラシが配られたのち、市民の皆さんから「堺市の借金は危機的状況なの?」と心配の声をたくさんいただくようになった。

政治家の息子でもなくサラリーマン出身として、政治の世界に飛び込んだ時から、財政の問題に大きな関心を持ち、これまでの議員生活約6年の半分の3年間総務財政委員会に所属し、堺市の借金や財政状況について様々に議会内外で議論をしてきた一人としてこの問題について状況を示し市民の皆さんのご判断に供したい。

 

1.       「増え続ける堺市の借金」??

「維新プレス」によると、堺市の借金は、竹山市政によって大幅に増えたことになっている。
また、6月27日の大阪維新の会所属黒田議員のFacebookの投稿をはじめとして維新の皆さんの街頭での発言等をみていると「急増する堺市の借金」として
5年間で1000億円も借金が増えていると堺市政を徹底的に批判している。

大阪維新の会から発信されているニュースが本当で、借金が竹山市長の責任だとしたら、市民の皆さんは不安になるのは当然の事で、私も徹底的に竹山市政を糾弾しなければならなくなる。

しかし、実際はこの大阪維新の会の書き方には、以下に記載するとおり、財政について少しでも勉強したものからすれば問題だらけであるし、それについては他でもない橋下前大阪府知事をはじめ、大阪維新の会所属議員も認めているところである。
そうだとするならば、「維新プレス」の発行者や黒田議員は勉強不足であるか、市民の皆さんはどうせ気が付かないだろうとミスリードを狙ったかのどちらかに一つと言わざるを得ない。

私も議員になって議論をはじめるまであまり詳しくはわかっていなかったが、自治体の借金には、自治体固有の借金と国の肩代わりをしている金(臨時財政対策債)があり、それを分けて考える必要がある。

そして維新の会のいうところの「急増する借金」はその殆どが臨時財政対策債であり、これの増加を竹山市政の責任とするのは無理があり殆どデマに近い。

このことは、橋下徹前大阪府知事が「これ(=臨時財政対策債)は国から押し付けられた借金であって、大阪府にはどうしようもないもの。この部分を除いて大阪府の借金がどうなのかってことを見なきゃいけない」と国を批判し、
大阪維新の会の足立康史衆議院議員も「悪意のデマは払拭していく必要がある」と怒りを露わにした。

堺市議会でも、維新の会の井関議員は「臨財債を含む残高と臨財債を除く残高両方を経営指標として利用する、または市民にも開示する、そのことの両方を基礎に議論していくということが必要」(29年3月17日:総務財政委員会委員間討議)と発言しており、

しっかりと正しい認識をもっているにも関わらず、あえて市民を不安に陥れる、もしくは市政不信をあおるような発言をするのは問題が多いと言わざるを得ないと考える。

 

 

2.大阪市は借金を減らしているのに、堺市の借金は危機的??

大阪維新の会は、吉村大阪市長率いる大阪市の財政状況は借金を減らし健全化を図っているが、竹山堺市長率いる堺市の財政状況は非常に危機的な状況にあると宣伝をしている。

この内容についても批判合戦ではなく冷静な検証が必要である。

 

夕張市が“自治体の破産”状態に陥ったことをきっかけに、国は都道府県や市町村の財政の健全性をチェックする指標(健全化判断比率)を定めた。

その指標であるローン残高が年収の何倍かを示す将来負担比率をみると、平成27年時点で堺市は、15.6%、大阪市は117.1%となっている。

大阪市と堺市の財政規模が違うことから借金残高で比較してもほとんど意味がないが(念の為に下記に借金残高のグラフは掲載する)、指標での比較がもっとも正しく状況を表しているのは、これもまた財政を少しでも勉強した政治家や議員、もちろん学者の皆さんにとっては当たり前のことである。

このような中で、大阪市が健全で、堺が危機的であるかのような事実を捻じ曲げた批判を大阪維新の会の皆さんが行うのは、市民の皆さんへの冒涜と言える。

 

(平成21年~27年 一般会計)