[堺市長選2017特集] 寄稿記事「キャッチフレーズに騙されないで!堺市民に知っておいていただきたい大阪市でのこと」(前大阪市会議員・柳本顕)

■キャッチフレーズに惑わされないで!

~今回の選挙で市長が非維新になるか維新になるかは非常に大きな問題~

 

○大阪府市を牛耳り、『都構想』議論に明け暮れる維新

今の大阪府下の政治情勢を冷静に見て欲しい。

維新は、大阪府知事という大阪府内における政治的トップの地位に約10年間も就き、府内最大かつ中心の政令市大阪市のトップも6年間担ってきている。

「大阪維新の会」は、紛れもなく今なお大阪府市において絶大なる権力を持ち、大阪府市を牛耳っている。

2013年から、大阪府市は特別区(いわゆる都構想)の制度論に明け暮れ、莫大な人的資源とお金をこれに注ぎ込んできた。
この永遠に終わらない政争のための人的リソースを、堅実な大阪市の成長のために割いていればどれだけのことができたのか。

 

○堺市は、大阪市の都構想(特別区設置)と無関係ではいられない

堺市はこれまで非維新市長のため、幸いにもこの無駄な制度論をあまりせずに済んできたが、それゆえに堺市民の多くは、大阪市での状況への認識は薄いのではないかと推測する。

大阪市に特別区が設置されることになれば(=都構想になれば)堺市も組み込まれる可能性が大きく、今回の選挙で市長が非維新になるか維新になるかは非常に大きな問題であると言わざるを得ない。

ここでは簡略な説明に留めるが(詳しくは動画を参照されたい)、特別区設置を定めた大都市法によれば、既に特別区となった地域の隣接自治体を分割せずに1つの特別区として編入する場合は、住民投票を必要とせず、議会決議のみで可能となっている。
現在大阪市で維新市長と維新知事をを中心に進む特別区構想では4つに分割する新な案が議題に上っており、そうなると1区の人口規模は50~80万人規模と推察される。
その結果、俄然83万人の堺市をまるまる特別区として住民投票も経ず編入ということが現実味帯びる状況ができつつある。

維新候補は自身の任期中の都構想議論はしないと述べておられるようだが、実際に特別区編入をその先にスケジュールしたとして、その前段階の府への堺市のリソースの統合を先行して進めていくことは十分にありえる
現に今回の維新候補の公約には、以前の選挙で維新が公約で、「都構想をやればできる!」としていたはずの案件が盛り込まれいることは注目する必要がある。
大阪市でも、現在まだ都構想の住民投票が可決されたわけではないが、かつて維新が都構想としてかかげていた府市統合案件が続々先行して進められてきている
維新が決して堺市の都構想編入を断念したわけでなく、あくまで堺も都構想が党是でありつつ、今回の堺市長選の争点隠しとして「任期中は議論せず」であることを思えば、堺市と府の統合事案は続々進む可能性がある。

 

例えば、府と市の衛生研究所の統合と、独立行政法人化が既に行われた。
我々自民党は、身近な行政と切り離されるこの案は、市民の生命を守りえないとし反対をしたが、議席数に劣り維新案が可決されてしまった。

堺市も衛生研究所を持つことを御存知だろうか。
O157の集団感染事件はかつて堺であり、昨今も全国的社会問題だが、そういった普段市民が意識しない研究をし保健所と一体となり市民を影で守っている重要な機関である。
これも大阪市と同じく廃止統合の話が持ち上がるかもしれない。

今回維新候補が掲げる、「大阪消防庁への一元化」「大阪観光局への一元化」なども、前回の堺市長選挙で都構想要素となっていた案件。
都構想議論は任期中しないといいながら、前回都構想要素としていた案件を進めるとしている。
本来であれば正々堂々都構想を掲げ、府が中心となる組織に一元化していく方向が好ましいのか?有権者に問うて市民議論とすべきである。

地元の機微に対応できうる地域に権限を持たせた組織形態が好ましいのか、都構想の府がイニシアチブを持つ思想が好ましいのか。

特別区になる前から、堺市の事業の府市統合議論などの進展は十二分に可能性がある。
ゆえに、堺の有権者は、「大阪市で何が行われてきたのか」シビアに見る必要がある。

 

稚拙な府市統合による失敗例としては、昨今マスコミを賑わした、住吉市民病院問題などがある。
これは大阪市営と府営の病院を統合すればいいという短絡的な思想で、
実際には機能も場所も違い、また入院患者の行先の目途も付いてないままに進め、いまだにどうなるのか分からない。
はたして短絡的に一元化することが住民に資するのか。同じことは維新市政の堺市では起こり得る。

参考)
【動画】堺市長選と都構想の深~い関係(法定協eyes)

 

【図解】堺市長選挙と大阪都構想
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1433936020015830&set=a.662299237179516.1073741825.100001983383922&type=3&theater 

(クリックで拡大)

 

○『停滞か、成長か。』

今回の堺市長選挙での維新のキャッチフレーズは『停滞か、成長か。』

こんな陳腐なキャッチフレーズに対しても、大阪において「大阪維新の会」が掲げる限りにおいては、その内在する浸透力や発信力について分析をし、対処をしておかなければならないと考える。

『停滞か、成長か。』

二者択一のフレーズの答えは実は一つである。停滞など求める人はどこにもいない。

誰もが成長に期待を寄せる。しかし、敢えてキャッチフレーズとして使う事によって、二つの効果を引き出そうとしている。

 

一つは相手方が「停滞」を招いているという印象操作。

そして、もう一つは自らが招いている「停滞」を隠す効果である。

 

維新は、言葉の定義については寛容である。何を見るのか、見せるのか、その手法によって見え方、受け止め方が変わる事を維新は知っている。府下における政治的権力を握っている事実が、揺るぎない説得力となる。

結果として、停滞と成長についての真実と異なる事実を市民は見せられることになる。

教育施策について、維新候補は塾代クーポン(塾代のうち1万円を補助)など、大阪市で行われてきた事業を堺市に持ち込もうとしている。
しかしこの施策は結果として、維新が指標と盛んに言う全国学生テストで大阪市が小中学校共に最下位と結果が出ていない以上、バラマキ批判もありうる制度。
塾にそもそも行かすことをしない家庭には一銭も回らない施策であり、多くの予算を割くのに対し学力の底上げには必ずしもならない制度といえる。

 

その他にも、維新が発信するグラフや数値についてのマヤカシが指摘されているので具体は割愛させて頂くが、大阪において維新の政治が停滞を招いている事実や、現・竹山市長のもとでの堺市の成長を忘れてはならない。

 

○『過去に戻すか。前に進めるか。』

2年前の大阪府知事・市長のW選挙の際、維新は『過去に戻すか。前に進めるか。』をキャッチフレーズとした。

 

同じ事が言える。

 

誰もが政治を、経済を、大阪を前に進める事に期待を寄せる。

非維新が首長となれば「過去に戻る」かのような印象操作をした。

自らの「過去に戻る」方向性を隠す効果があった。

 

維新の大阪府知事・大阪市長の再選により、結果として、大阪の政治を前に進めるどころか法定協議会を再設置し「過去に戻して」しまったのだ。

再び大阪市を廃止分割するか否かの議論が始まり、大阪市は長期展望を描けない停滞の時期を迎えている。

 

 

 

○維新のキャッチフレーズの印象操作に惑わされることなく判断を!

堺市は地味ながら着実な成長を遂げているのに対し、大阪市は維新の大阪市長・大阪府知事が否決された特別区(いわゆる都構想)の議論を再開させた。

つまり、竹山市長は堺市を『成長』させ、維新の大阪市長・大阪府知事は大阪市を『過去に戻した』。

 

堅実に堺を前に進める竹山市長の実績や主張は、お祭り好きな方々には退屈に見えるかもしれない。
しかし、行政はおもしろさではない。堅実に進める確かな歩みこそが必要なのだ。

維新市政の拙速さは、大阪市で失敗を繰り返してきた。それでは地域を守れない。未来を築けない。
今回の堺市長選挙は、堺にとっての生命線であり、同時に大阪の生命線でもある。

誰よりも堺を愛し、堅実な成長に基づく堺の未来を託せるのは竹山氏をおいて他にはいない。